海外旅行や海外出張の際、「日本にいる時のように、スマートフォンやパソコンでインターネットを快適に使いたい」と考える方は多いのではないでしょうか。地図アプリで道を確認したり、SNSで現地の感動をシェアしたり、急な仕事の連絡に対応したりと、今やインターネット接続は欠かせない存在です。そこで選択肢となるのが、海外でも使えるポケットwifiですが、無制限プランの実際のところや、どのサービスを選べば良いのか、料金はどれくらいかかるのかといった多くの疑問が浮かぶことでしょう。この記事では、そのようなお悩みを持つあなたのために、海外で利用可能なポケットwifiの基本から、レンタルと購入の比較、各携帯キャリアのサービス内容、そして長期滞在で費用を抑える方法まで、包括的に解説していきます。
この記事でわかること
- 海外でポケットwifiを利用する際の具体的な方法
- レンタルプランと端末購入のメリット・デメリット比較
- 日本の大手キャリアが提供する海外向けサービスの特色
- 長期滞在や複数国周遊など目的別のお得な選択肢
海外でも使えるポケットwifiの基本と無制限プラン
海外でインターネットを利用するためのポケットwifiには、様々な選択肢と知っておくべき基本情報があります。日本で使っている端末がそのまま海外で利用できるのか、無制限プランは本当に通信量を気にせず使えるのか、といった疑問をここで解消していきましょう。また、特定の状況下での利用可否についても触れていきます。
- 日本のポケットwifiは海外で使えるのか?
- ポケットWiFiは船の上など海でも使えますか?
- 海外でWiFiを使ってLINEなどのアプリは使えますか?
- 日本の大手キャリアのポケットwifiは海外でも使える?
日本のポケットwifiは海外で使えるのか?
結論から言うと、日本国内向けのポケットwifiの多くは、そのまま海外に持って行っても利用できません。
その理由は、国ごとに使用されている電波の周波数帯(バンド)が異なるためです。日本国内専用に設計された端末は、海外の周波数帯に対応していない場合がほとんどです。また、契約しているSIMカードが国内利用に限定されていることも一因として挙げられます。
しかし、一部には海外利用を前提としたポケットwifiサービスも存在します。「クラウドSIM」という技術を搭載した端末がその代表例です。クラウドSIM対応のポケットwifiは、渡航先の国や地域で最適な通信キャリアの電波を自動的につかんでくれるため、SIMカードを差し替えることなく、世界中の多くの国でインターネットに接続できます。そのため、海外渡航の際には、このような海外対応モデルをレンタルまたは購入する必要があります。
ポケットWiFiは船の上など海でも使えますか?
ポケットwifiが海上で利用できるかどうかは、その場所の状況に大きく依存します。
まず、陸地に近い沿岸部や、島々を巡るフェリーなどであれば、陸上の基地局の電波が届く範囲内では利用できる可能性があります。しかし、陸地から遠く離れた外洋では、携帯電話会社の電波は届かなくなるため、一般的なポケットwifiは通信不能となります。
クルーズ船などで長期間の船旅をする場合、船内では独自の衛星通信を利用したWi-Fiサービスが提供されていることがほとんどです。これはポケットwifiとは仕組みが異なり、通常は有料のサービスとして提供されています。料金は高額になる傾向がありますが、外洋上でも安定した通信を確保するためには、こうした船内Wi-Fiの利用を検討するのが現実的な選択肢と言えるでしょう。
海外でWiFiを使ってLINEなどのアプリは使えますか?
はい、海外でポケットwifiなどを利用してインターネットに接続できれば、LINEやInstagram、X(旧Twitter)といったSNSアプリは日本にいる時と全く同じように使用できます。
これらのアプリはインターネット回線を通じて通信を行うため、接続環境さえ確保されていれば、友人とのメッセージのやり取り、音声通話、ビデオ通話、写真の投稿などが可能です。海外から日本の家族や友人に連絡を取りたい場合、電話回線を使う国際電話よりも、LINEの無料通話などを利用する方が通信費を大幅に節約できるため、非常に便利です。
ただし、ビデオ通話や高画質な画像の送受信は多くのデータ通信量を消費します。無制限プランでない場合は、データ容量の上限に達しないように注意が必要です。また、一部の国では政府の規制により特定のSNSアプリが利用できないケースもあるため、渡航前に現地の情報を確認しておくとより安心できます。
日本の大手キャリアのポケットwifiは海外でも使える?
ドコモ、au、ソフトバンクといった日本の大手キャリアが提供するポケットwifiや、それらに関連する海外データ通信サービスを利用することも可能です。各社でサービス内容や名称は異なりますが、海外でデータ通信を行うための選択肢を用意しています。
ドコモのポケットwifiは海外で使える?
ドコモのユーザーであれば、「世界そのままギガ」や「世界ギガし放題」といった海外パケット定額サービスを利用できます。これは、普段日本で使っているスマートフォンをそのまま海外に持って行ってデータ通信を行うサービスですが、対応のポケットwifiルーターを利用することも可能です。事前の申し込みが不要な場合もあり、手軽に利用開始できる点がメリットです。ただし、利用料金は他の海外専用WiFiレンタルサービスと比較して割高になる傾向があるため、短期の滞在に向いていると考えられます。
auのポケットwifiは海外でも使える?
auユーザー向けには、「世界データ定額」というサービスが提供されています。これも日本で契約しているデータ容量を海外で消費する形のサービスで、事前予約をすると割引が適用されるなどの特徴があります。auが販売している一部のモバイルルーターもこのサービスに対応しており、海外で利用することが可能です。料金体系が時間単位(24時間)で設定されているため、必要な時だけ利用するといった柔軟な使い方ができるでしょう。
ソフトバンクのポケットwifiは海外でも使える?
ソフトバンクは「海外あんしん定額」や「海外パケットし放題」といったサービスを提供しています。特に「海外あんしん定額」は、定額対象国であれば追加料金なしで利用できる国もあり、ソフトバンクユーザーにとっては非常に魅力的な選択肢です。また、ソフトバンクが提供するポケットwifi端末の中には、海外での利用に対応しているモデルも存在します。自分の持っている端末や契約プランがどのサービスに対応しているか、渡航前に確認することが大切です。
用途別!海外でも使える無制限ポケットwifiの選び方
海外で利用するポケットwifiを選ぶ際は、滞在期間や利用目的によって最適な選択肢が異なります。短期旅行なのか長期滞在なのか、また、手軽さを重視するのかコストを重視するのかによって、レンタル、購入、あるいは現地での調達といった方法を比較検討する必要があります。
- 長期滞在なら海外wifiは購入とレンタルどちらが安い?
- 海外で使えるポケットwifiを現地で購入する方法
- 【総まとめ】ポケットwifiを海外で無制限に使うためのポイント
長期滞在なら海外wifiは購入とレンタルどちらが安い?
海外での滞在期間が1ヶ月を超えるような長期になる場合、一般的にはレンタルよりもポケットwifi端末を購入する方がトータルコストを安く抑えられる可能性が高くなります。
レンタルサービスは、1日あたりの料金は手頃でも、長期間利用するとその合計金額が大きくなってしまうためです。例えば、1日1,000円のレンタル料金でも、30日間利用すれば30,000円になります。
一方、海外で使えるポケットwifi端末を購入する場合、初期費用として端末代金(1万円~3万円程度)がかかります。しかし、一度購入してしまえば、あとは利用したい時に渡航先に合わせたデータプランを契約するだけで済みます。長期的に見れば、レンタルを何度も繰り返すよりも経済的です。また、返却の手間がないことや、自分の好きなタイミングで利用を開始できる点も購入のメリットと言えます。
以下に、レンタルと購入の一般的な特徴を比較した表を示します。
海外で使えるポケットwifiを現地で購入する方法
渡航先の現地でポケットwifi端末を購入することも、有効な選択肢の一つです。特に、特定の国に長期間滞在する場合や、頻繁に同じ国を訪れる場合にメリットがあります。
購入場所としては、主に現地の空港内にある通信キャリアのカウンターや、市内の家電量販店、キャリアショップなどが挙げられます。Amazonのようなオンラインマーケットプレイスの現地サイトを利用して購入することも可能です。
現地で購入する最大のメリットは、その国に最適化された端末とデータプランを手に入れられる点にあります。通信速度や安定性が、日本から持ち込むタイプのサービスよりも優れている場合があります。また、現地の物価によっては、日本で海外対応端末を購入するよりも安価に入手できる可能性もあります。
ただし、注意点も存在します。まず、言語の壁です。店員とのコミュニケーションや、契約内容の理解に現地の言語能力が求められます。設定も自分で行う必要があるため、ある程度の知識が必要です。また、購入した端末やSIMカードは、他の国では利用できない場合がほとんどであるため、複数の国を周遊する旅行には不向きです。
【総まとめ】ポケットwifiを海外で無制限に使うためのポイント
この記事で解説してきた、海外でも使える無制限ポケットwifiを選ぶための重要なポイントを以下にまとめます。
- 海外渡航でインターネットを利用するには専用の準備が必要
- 日本の国内専用ポケットwifiは基本的に海外では使えない
- 海外で使うには「海外専用WiFiレンタル」が最も手軽な方法
- クラウドSIM技術搭載のルーターは複数国で利用でき便利
- 短期旅行であればレンタル、長期滞在なら購入がコスト面で有利な傾向
- ポケットwifiを購入すれば返却の手間がなく自分の資産になる
- 端末の購入はAmazonなどのECサイトや現地の空港・家電量販店で可能
- 現地での購入は言語の壁や設定の手間というデメリットもある
- ドコモ・au・ソフトバンクも海外データ通信サービスを提供している
- 大手キャリアのサービスは手軽だが料金は割高になることが多い
- ポケットwifi経由でLINEなどのSNSアプリは問題なく利用可能
- ビデオ通話などはデータ消費量が多いため無制限プランが安心
- 完全無制限プランは少なく、一定量を超えると速度制限がかかる場合が多い
- 陸から離れた海上では一般的なポケットwifiは圏外になる
- クルーズ船では高額な衛星通信を利用したWi-Fiが提供される